旧帝大就活研究会
編纂手記

SPI テストセンター 二〇二六年改訂の所感

SPI(テストセンター方式)は、本研究会が「主要十七形式」と整理した形式群のなかで、最も採用企業数が多く、また最も改訂の影響を受けやすい形式である。 二〇二六年の改訂に際しても、編纂会では数度の内部議論を重ねた。 本手記では、改訂の概況と、編纂会で交わされた論点の要約を控えとして残しておく。

目次

  1. 二〇二六年改訂の概況
  2. 出題比率の変化 ── 三領域の動き
  3. 編纂会内部議論の要約
  4. 改訂への対応方針
  5. 受験者への助言
  6. よくある質問

二〇二六年改訂の概況

二〇二六年の改訂は、運営主体による正式な改訂告知を伴わない、いわゆる「静かな改訂」であった。 本研究会の受験記録蓄積では、二〇二六年三月以降の受験報告において、出題構成にいくつかの変化が確認されている。

主な変化は、能力検査における「非言語」領域の比重増加と、「構造的把握」と呼ばれる新出題類型の頻出化である。 いずれも、運営側からの公式説明はなされていないが、編纂会が受験記録の差分から再構成した観察である。

なお、この種の静かな改訂は過去にも複数回観察されており、本研究会では改訂告知の有無を問わず、受験記録の差分が一定水準を超えた時点で頒布物本体の改訂を行う運用としている。

出題比率の変化 ── 三領域の動き

二〇二六年改訂による出題比率の変化は、おおむね次のとおりである。

言語領域 ── 比率としては微減である。 ただし、長文読解の文字数が一割ほど増加しており、解答に要する時間そのものは増えている。 語彙系の出題(二語の関係・熟語の意味)は従来どおりの比重を保つ。

非言語領域 ── 比率が三ポイントほど増加している。 従来から頻出であった推論・確率・図表読み取りの三系統が依然として中心であるが、「構造的把握」と呼ばれる新類型が追加された。 構造的把握とは、提示された複数の文の構造上の類似性を識別する出題で、純粋な計算力ではなく抽象的な分類能力を問う設計になっている。

性格検査 ── 設問数・所要時間ともに大きな変化はない。 ただし、設問の表現が一部洗練されており、回答の一貫性をより強く問う構成へ寄っている。

この三領域の動きを総合すると、改訂の方向性は「計算速度よりも論理的構造把握を重視する」方向に寄っているように見受けられる。

編纂会内部議論の要約

改訂を受けて、編纂会内部では次のような議論が交わされた。

第一に、構造的把握を独立の章として立てるか、推論章の付節とするかという論点である。 独立章とする案は、出題頻度の高さと類型の異質性を重視する立場から提案された。 付節とする案は、編纂物全体の章数を抑え、読者の負担を軽減する立場から提案された。 結論として、二〇二六年改訂版では推論章の末尾に独立節として配置し、出題頻度がさらに高まった場合には独立章への昇格を検討するという暫定的な扱いとした。

第二に、長文読解の文字数増加に対する解説の量をどう調整するかという論点である。 解説を冗長にすれば紙数が膨らみ、簡略にすれば読者が迷う。 本研究会では「設問あたりの解説字数は据え置き、解説の構造を箇条書きへ寄せる」方針で落着した。 これにより、字数を抑えつつ読者の把握速度を上げることができる。

第三に、改訂後の頒布物に「改訂版」の表記を加えるかという論点である。 明示的に改訂版を名乗ると、旧版購入者からの照会が増えることが過去の経験から想定されていた。 最終的には、奥付の改訂月のみを更新し、版次の表示は据え置くことで合意した。 旧版購入者には別途、改訂差分を要約した手記を電子郵便にて告知する運用とする。

WEBテスト対策の総合的な観点については、外部の資料としてSPI対策の総合ガイドに簡明な整理があるため、改訂前後の比較を行う読者は併せて参照されたい。

改訂への対応方針

本研究会の二〇二六年改訂版における対応方針は、次の三点に集約される。

  • 一、構造的把握の出題類型を、推論章の末尾節に新設する
  • 二、長文読解の解説を、箇条書き構造へ書き換える
  • 三、性格検査の章は据え置く(実質的な改訂が観察されないため)

この方針は、編纂会内部での合意を経て、二〇二六年六月の改訂作業に反映されている。 改訂版の頒布開始は二〇二六年七月を予定しており、それまでに本手記で告知している事項に変更があれば、追記の形で更新する。

受験者への助言

二〇二六年改訂以後にSPIテストセンター方式を受験する読者には、次の点を申し添える。

第一に、非言語領域の対策時間配分を、従来よりも一割ほど増やすことを勧める。 構造的把握の出題は、初見では解答に時間がかかる類型である。 本研究会の頒布物本体に掲載される出題例を、複数回反復して類型に慣れておくことが有効である。

第二に、長文読解は、設問文を先に読んでから本文に当たる順序を勧める。 文字数増加により、本文を先に読むと設問を見るころには記憶が薄れている、という報告が受験記録から複数寄せられている。

第三に、性格検査については、対策というよりも「自己の回答傾向を事前に整理しておく」ことを勧める。 回答の一貫性を問う構成が強化されているため、思いつきで答えると整合性が崩れやすい。

よくある質問

Q. 旧版を購入したが、改訂版への切替は可能か

可能である。 旧版購入者には、改訂版頒布開始時に電子郵便で告知し、差額にて改訂版を頒布する運用としている。 詳細は照会の上、改めて案内する。

Q. 構造的把握はどの程度の頻度で出題されるか

本研究会の二〇二六年四月以降の受験記録では、非言語領域の出題のうち、おおむね一割から一割五分が構造的把握に充てられている。 今後の頻度推移は、引き続き受験記録の差分で確認していく。

Q. テストセンター以外のSPI方式にも改訂は及んでいるか

WEB受検方式・ペーパーテスト方式における同様の改訂は、二〇二六年六月時点では確認されていない。 ただし、過去の改訂例では、テストセンター方式の改訂が他方式へ波及するまでに半年から一年の時差があるため、引き続き経過を観察する。

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